2012/10/09

■佐藤麻理さん近況報告


 ブラームスコンクールを終えた約一週間後、日本でも活躍中のヴァイオリニストで、現在ウィーン国立音楽大学弦楽室内楽科に在籍中の芸大の先輩でもある瀧村依里さんと共にドイツへ飛びました。デュッセルドルフから約1時間離れたVoerdeという小さな町へ出向き、コンサートを2箇所で行いました。
これは去年3月11日の震災時、Voerdeの高校に短期留学をしていた神戸市出身の佐竹優輝くんという学生が企画したコンサートで、当時彼はその街で日本への募金を集める活動をコツコツし、小さな街ながら多くの義援金と人々から暖かい言葉を頂いた事への感謝を込めて企画したサンキューコンサートでした。
滞在中は地元のドイツ人夫婦の家にホームステイさせて頂き、ドイツの田舎暮らしを堪能、コンサートは地元の学校と、彼が所属していた合唱団の練習ホールで演奏をし、またその街の人々の温かさに触れる事が出来てとてもいい時間を過ごす事が出来ました。
プログラムは、愛の挨拶から始まり、クライスラーの小品を数曲、ブラームスのヴァイオリンソナタ3番とスケルツォなど、エネルギッシュな曲から心穏やかな曲まで楽しめる素敵なプログラムで、滝村さんの音色に、普段クラシックを聞かないような学生達も感動して聞き入ってくれました。年配のお客様も、感動して涙が出たなど、素敵な言葉をたくさん頂き本当に嬉しく思います。またどこかで演奏出来るといいなと思います。

現在、ウィーン1区にあるペーター教会でのモーツァルトピアノソナタシリーズの演奏会に定期的に出演させて頂いています。私たち演奏者にとっては、人前で演奏する機会が増えてとてもよい経験となっています。  (佐藤麻理)
 
 


2012/10/08

■佐藤麻理さん ブラームス国際コンクール優勝!


現在ウィーン国立音大鍵盤室内楽科に留学中の佐藤麻理さんが、9月オーストリアのペルチャッハで開かれた「ブラームス国際コンクール」で優勝しました。難関突破の優勝は誠にめでたいことですが、佐藤さんのこれまでの精進、才能からして当然の結果だと思います。これから更に高い目標を目指して頑張って行くことを期待しています。以下、佐藤さんのコンクールの報告です。  (野村三郎)
 
●コンクール模様
  ブラームスが好んだ避暑地ペルチャッハで毎年開かれるブラームスコンクールは、全部で6部門が同時に開催、年齢制限も無いため、初日は町中に多くの音楽家が溢れ、活気があり緊張感も増しました。芸大の先輩や、4年前に講習会で一緒だった方など、懐かしい再会もありました。

 ピアノ部門1次予選は二日に分けて行われ、演奏順番は初日にくじ引きで決めるのですが、私は運良く2日目の一番最後。あぁ、初日に弾いて一秒でも早く緊張から解き放たれるのも良いのになと思いつつ、2日目の夕方までしっかり緊張し、気持ちと体調の準備などを落ち着いて出来たと思います。審査員がそれぞれ数字の札を持ち、音楽性、技術面の2つに対して最高6点まで点数をつけます。音楽コンクールにしては珍しくフィギュアスケートの様な採点方法で、それぞれが演奏終了後すぐに点数を開示するため、他に類を見ない審査の透明性が特徴です。また、個人の獲得点数の平均を出し、それぞれの予選後に1から順にランキングを張り出され、12位までの人が1次通過。私はその場で出来る限りの力を出し、だめならしょうがないと思っていましたが、1位通過というびっくりな結果を頂き進む事が出来ました。とはいえ他の人との点数差は僅差。一瞬も気が抜けません。また、このように自分や周りの点数を知ってしまう事によって、精神面のコントロールも難しく感じました。

 1次予選終了後またくじ引き、また後半の演奏順番を引き、私の出番は夜になりました。連日のブラームスや激しい演奏に、審査員もピアノもかなり疲れて来ているような・・・。2次予選は40分以内、私はブラームスのソナタ2番とスクリャービンのソナタ4番を弾きました。こちらの結果もランキングで発表され、最後は3名がファイナルに進出。また1位通過する事ができたのですが、この結果とファイナルの点数を合計して最終結果を出すため全く予測不可能。

 ファイナルはオーケストラとの共演ですが、メンバーの年齢層が若く、今回はそれがとても助けになりました。私はピアノ室内楽科に所属していますので、これまでの経験が生かせる!と思い、緊張よりも、同年代の人達と室内楽を弾くような気分で楽しく演奏する事が出来たのです。ちなみにこちらもくじ運がよく3番目、最後でした。

 コンクールに参加したのはとても久しぶりで、自分に課した今年の一つの目標だったのですが、参加してみるとつくづく、コンクールという物は戦わなければいけない、挑む場なんだなぁ。と、のほほんとしていた自分の気の甘さを実感しました。そして、食事と体力コントロールの重要性も体感し、本当に実りの多い経験になりました。

●ファイナル後
 翌日はカジノで受賞者コンサート。各部門の1位と2位受賞者が5分程度演奏を披露し、観客は入り口で配られたチップ3枚を気に入った演奏者のかごへ入れ聴衆賞を決めるという、いかにもカジノらしい遊び心のあるコンサート。聴衆賞はチェロ部門1位の方でした。コンクールを勝ち残った参加者同士、精神的にも体力的にも疲れきった仲間を励まし合いました。
 ファイナルの結果が出た後すぐに、日本の共同通信の方が連絡を下さりいち早くニュースを日本へ届けて下さったのですが、受賞コンサートにはORFが取材に来ており、一部始終を撮影し、インタビューを受ける事になりました。始めは英語で接していたのですが、途中で私がドイツ語で質問したら、ドイツ語しゃべれるならドイツ語で!となり恐怖のインタビュー。ウィーン音大ピアノ室内楽科、アヴォ先生の下で勉強していて、この結果をとても嬉しく思う、また次の目標に向けて頑張ります。など答えました。それに対しインタビュアーは、アジアの人はいつもすぐに次の目標へ進むと言うからすごいわね!と。また、あなたの演奏後、客席がシーンと物音ひとつしない状態だったが、あれは意図した物なのかという内容の質問があり、返答に困りました。特に狙っているわけではないが、自然な音楽をするように心がけているので、音楽の力で自然にそうなったのかも。というようなお話を少ししました。
 また、日本へ向けて日本語で答えて!というので、ドイツ語の質問に日本語で答えるという事もしました。ほんの少しでしたがその映像を日本でNHKが放映して下さったようで、思ってもいなかった大きな反響があり本当に驚きました。普通なら人知れずこっそり受けてささっと帰るので、良い結果を頂いた事の重大性、また今後の自分への渇と、知らせを聞いて喜んで下さる方がこんなにも多くいる事に感謝しました。また、いち早くニュースを取り上げるメディアの方のお力を改めて感じ、感謝の気持ちでいっぱいです。「こうゆう明るいニュースっていいですね!」と日本の記者の方が言って下さったのがとても嬉しかったです。
 また家族や先生方、アヴォ先生もとても喜んで下さり、5年間ウィーンで学んだ事が一つの結果となった事に自分でも嬉しく思います。これはまだ成長の一過程として捉え、そして学生生活ももう長くはないので、更に成長していけるように目標を定め、アヴォ先生からしっかり勉強しようと思います。

 現在はまた新しいレパートリーの勉強を始めています。まだまだ勉強する事が多く、それをこのような素晴らしい環境で続けられる事を本当に幸せに思いますので、無駄の無い時間を過ごせるように努力したいと思います。  (佐藤麻理)


2012/10/08

シューベルティアーデのマスタークラスに参加して


ハノーファーに留学中の宮崎貴子さんから近況報告が届きました。シューベルティアーデは格の高い催しです。こういう講習会に参加することはとても大事で、素晴らしい経験になったと思います。(野村三郎)

私は9月3日〜8日までSchwarzenbergで、Schubertiadeの一環で行われているリートのマスタークラスに参加してきました。
 講師はThomas Quasthoffと彼のピアニストのJustus Zeyenで、5日間毎朝400人近くのお客さんの前での公開レッスン+修了コンサートがあり、山の中にある立派なホールからの景色は夢のように美しく、素晴らしいコンサートも毎日聴き放題と、たまらない1週間でした。 

 歌手とピアニストの両方から同時に指導されるというそれはとても贅沢で効率的(?)、そして時に大勢のお客さんを巻き込んでのマスタークラスはとても楽しく、練習環境が整っていない中で言われたことをこなすにはかなり集中力がいりましたが、最後のコンサートでは大きな成果を感じることができました。

 貴重な機会なので滞在中に4つあったLiederabendも全て聴きました。Schubertiadeのコンサートなだけに、ほとんどSchubertのプログラムでした。
現在ヨーロッパ各地で活躍中のソプラノ、 Anja Harterosがキャンセルだった代役で、今年Schumannコンクールで優勝した若いテノールのMauro Peter & Helmut Deutsch、 Christiane Karg & Wolfram Rieger、 Ian Bostridge & Julius Drake が2晩だったのですが、私はどうしてもピアニスト6割で聴いてしまいます。ライブを聴くのはみんな初めてだったのですが、 Helmut DeutschとWolfram Riegerの神業のような演奏には感激でした。
 Bostridgeはちょっと歌い方が特殊で、すごく色々と表現するのに不自然な感じが見ていてしんどく、CDの方がいいと思ってしまいましたが、とにかくリート三昧の幸せな経験でした。
月末からは歌やソロのコンサート、コンクールで慌ただしくなります。
 大きなものでは、2週間後にWolfのリートデュオコンクール、10月末には初めてフォルテピアノのコンクールを受ける予定です。悔いのないように取り組みたいと思います。 ( 宮崎貴子) 


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