2012/12/31

■メロス生便り~ドイツ・ハレより高松佑介君


ドイツ・ハレに留学中の高松佑介君より近況が届きました。
高松君は、先に「音の交差点」で、ご紹介しました大森文子先生にピアノを学び、その後も中学、高校、大学と、音楽を学ぶことと学業をみごとに両立させてきました。
現在、慶應義塾大学文学研究科で美学美術史学を専攻しながら、ドイツ国民学習財団(Studienstiftung des Deutschen Volkes)並びにボッシュ財団(Robert Bosch Stiftung)の奨学金を得て、マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク(哲学部Ⅰ政治・日本学科)で研鑽を積んでいます。   (野村三郎)

皆様お変わりありませんか。私は、ハレで充実した毎日を過ごしています。夏休みから今までの近況をできるだけかいつまんでご報告させていただきたいと思います。

夏休みにはワイナリー(10日間)とシューマン研究所(20日間)でインターンシップをさせていただき、そして2週間の夏季合宿にも参加しました。

ワイナリーでは研修生としてではなくGastkindとして接してくださり、泊り込みで生活させていただき、毎日美味しいワインをいただきながら、ワイン畑でブドウの世話をしたり、ワインの瓶にラベルを貼ったり、お客さんの接客を手伝ったりしました。
インターンの後も機会があるごとに呼んでくださり、たとえばインターンが終わった3日後には近辺のワイナリーが一斉に開放してお客さんを呼ぶ日があり、その日にはなんと私のミニコンサートを開いてくださいました。クリスマスも家族の一員として一緒に過ごさせていただけることになっていて、とても楽しみにしています。

シューマン研究所では、新シューマン全集の校訂補助という貴重な経験をさせていただきました。1月にはシューマン協会の年刊『Correspondenz』に私のインターン報告書を載せてくださることになっていて大変光栄に思っています。

夏季合宿は、南ドイツのノイボイエルンという町のお城で行われました。ボッシュ財団の奨学生のための合宿で、とても充実した合宿となりました。
授業はゼミ形式で、参加者は約20人ずつ7つのゼミに分かれて(つまり合計約140人もいたのです!)勉強しました。7つのゼミはそれぞれに担当の先生がいらして、文学、政治学、心理学、医学、数学などなど、それぞれの先生はそれぞれ違った分野を研究なさっています。
約140人の学生はそれぞれの好みの専攻のゼミを選んで集まってきたので、色々な分野の友達と話すことができて良い体験でした。そして私は、「脳、音楽、感情」という音楽心理学のゼミを受講しました。
ドイツ人はメリハリがしっかりしていて、ゼミも休み時間もとことん楽しむという印象でした。私ももちろんゼミ発表の準備もしましたが、サッカーをしたり、ハイキングをしたり、チェスをしたり、合唱をしたり、ヴァイオリンや歌やチェロの伴奏をしたり、本当に濃い時間を過ごしました。
歌とチェロを一緒に演奏した友達はミュンヒェンに住んでいて、ちょうど5月にミュンヒェンで予定されていて延期になったバリトンのトーマス・ハンプソンのリサイタルが12月初めにあり、その機会には6日間も彼のWGに泊めていただいて、また一緒に歌曲を演奏したり、カルテットに飛び入りでピアノ五重奏を一緒に弾かせてもらったり、舞踏会に行ったり、楽しい時間を過ごしました。

10月からはハレ合唱団に加えていただき、先週の日曜にはクリスマス・オラトリオをマルクト教会で歌うという経験もさせていただきました。温かい方々や親切な友達に囲まれているからこそ、このような貴重な体験ができると、本当に感謝してもし尽くせない気持ちです。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

高松佑介


2012/12/30

■冬の夜に聴くバッハ


この度、私のバッハの二枚目、ソナタ第1番、パルティータ第1番、パルティータ第3番のCDが完成いたしました。演奏はもちろん、カヴァーやブックレットの仕上がりにもとても満足しています。今回のカヴァーの写真、デザインは、長女が手がけました。

解説は、ピアニスト、バドゥラ=スコダ氏夫人で、音楽学者のエヴァ・バドゥラ=スコダさんの素晴らしい解説です。皆様に、私のバッハを聴いていただけたら幸せです。
ウィーンにお住いの皆様、1月22日開催されるCDプレゼンテーションにぜひおいで下さい。  (前田朋子)

◆CDプレゼンテーション(演奏とワインテイスト付き)
1月22日(火) 19:00
会場:ウィーン1区 ペーター教会 クリプタ
入場無料(任意の寄付あり)

前田朋子ホームページ:www.tomokomayeda.com
協賛:www.weingut-ferreum.at
www.onepoint.fm

◆日本では、株式会社グランジュテにてCDを販売しております。
メール:eiko@grandjete.biz
℡:090-2235-7999(山中)
fax:03-5380-3550

3150円(税込み)
1月中にご予約いただければ送料無料となります。


2012/12/24

Merry Christmas!


12月ウィーン4区で開催された、ろうそくの灯りだけのコンサート 演奏、前田朋子さん(ヴァイオリン)、フーバー陽子さん(ヴィオラ)

Frohe Weihnachten
und
ein Glueckliches Neues Jahr!


皆様、楽しいクリスマスと

よいお年をお迎えください。


2012/12/17

■メロス生便り~リンツ・ブルックナーオーケストラ団員 藍川理映子さん


ウィーン・楽友協会大ホールでの演奏会

リンツ・ブルックナーオーケストラ団員、ヴァイオリニスト藍川理映子さんから近況が届きました。

皆様いかがお過ごしでしょうか。すっかりご無沙汰しました。12月は本当に忙しい月で、休みがこれから年明けまでなくて、結構大変です。
私はオーストリア・リンツに来て早3年目になってしまいました。ここは、『Brucknerorchester・Linz』として、ブルックナーハウス等でコンサートをこなす他、日々、『Landestheater  Linz』での公演でオペラやオペレッタを日々演奏して仕事をしています。ほんとうに親切な同僚に恵まれ、楽しく過ごさせていただいてます。

Linzは2013年4月に新しく大きく現代的な劇場が完成します。私たちはもうすぐ劇場の引越しがあります。またオーケストラピットが大きくなることもあり、今シーズンは各楽器のオーディションをし、たくさんの新しいオーケストラの団員を増員したところです。不況の音楽界で、人員カットがあるようなところもあるなかで、恵まれた環境でありがたい限りです。新しい劇場のオープンがとても楽しみです。
少し前の話になりますが、日本の震災の際には、私たち日本人の団員が立ち上げて、劇場全体と隣町のお城の方々の協力を得てにチャリティコンサートを開催することができたりし、リンツの皆様の温かさに触れる機会が本当に多いです。

私自身は、毎夏7週間ある夏休暇を利用し、日本での活動も広げたく夏はいつも日本に帰り、リサイタルをしたり日本のオーケストラで弾かせてもらったりと、いろいろ体験させていただいたりしております。7週間も夏休暇をいただけるのはヨーロッパならではだと思いますし、その間、自分のやりたいことなどが出来て、とてもいいリフレッシュになってます。

日本の皆様にお知らせです。
3月9日に東京文化会館小ホールで下記のコンサートにも出演予定です。

http://www.jfm.or.jp/concert/?m=detail&l=4&d=158

文化庁の新進芸術家海外演奏員として派遣された人たちの(私はそのおかげで再びマイッスル先生のもとで学ぶことができました。)研修の成果を発表するというコンサートです。お時間のある方はぜひおいで下さい!   (藍川理映子)

<あいかわ りえこ>名古屋生まれ。 長谷部直子、進藤真弓、北垣紀子各氏に師事。桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部卒業、同研究科修了。久保良治、故・久保田良作各氏に師事。 霧島国際音楽祭奨励賞受賞。2001年ウィーンメロス音楽セミナー参加。メロス奨学金授与。2002年よりウィーン国立音楽大学にてミヒャエル・シュニッツラー氏、同大学大学院室内楽科にてヨハネス・マイスル、アヴォ・クユムジャン各氏に師事。オーストリア国際室内音楽祭“Allegro Vivo”賞を受賞、国営放送ORFにて放送される。ティチーノ・ムジカ国際音楽祭(スイス)にてマリア・コンティ氏(Pf)とリサイタル開催。2004、2005年PMF音楽祭参加。ウィーン国立音楽大学第1ディプロマ・ヴァイオリン科を最優秀で卒業し、帰国。  2005~2008年8月まで兵庫芸術文化センター管弦楽団にてフォアシュピーラーを務める。2008年9月より文化庁新進芸術家海外研修員(2年)として再びヨハネス・マイスル氏のもとで研鑽を積み、ウィーン国立音楽大学第2ディプロマ・室内楽科を最優秀で卒業。これまでに兵庫芸術文化センター管弦楽団、バーデン・シンフォニエッタと共演。名古屋、東京、横浜でソロリサイタル開催。2010年9月よりオーストリア・リンツ・ブルックナー管弦楽団ヴァイオリン奏者。リンツ在住。メロス音楽セミナーには、2001年3月・9月、2002年3月に参加。


2012/12/15

『通訳としての私』ー② 岩田朋子


<レッスン通訳として>
私が通訳をする上で、心がけている事を書いてみます。
これからレッスンの通訳をするという方の少しでも参考になれば嬉しいです。

まずは、当然過ぎる事ですが、とにかく『聴く人に分かりやすく伝えること』です。
受講生は、私の日本語だけを聞いているのですから、その私の日本語だけで、きちんとレッスンが成立するようにふさわしい言葉を選び、前後の文脈が一貫するように言葉をつないでいきます。
また、『先生のレッスンの勢いをできるだけ妨げない事』も大切です。私は、できるだけ長く先生の言葉を聞いて、タイミング良く訳すようにしています。受講生に分かり易くする事と同時に、先生にとっても、通常の通訳無しの時のように自然にレッスンして頂ける雰囲気を作る事も大切です。
以上のことは、言葉を訳す上での注意ですが、それと同じくらいに気を配っているのが、受講生の精神的なサポートをすることです。
大抵の受講生は、初めての先生、または異国でのレッスンにとても緊張しています。私はいつも、先生の側ではなく、受講する人の側にいること(物理的にも精神的にも)を心がけています。

通訳が陥りがちな間違いは、先生の言葉を訳しているうちに、あたかも自分が先生であるかのように無意識に錯覚してしまうことです。
それは、声のトーンや言葉遣いに表れます。例えば、先生が一生懸命なあまり、声を荒げられることがあったとしても、通訳は決して一緒に興奮してしまわず、できるだけ冷静でいなければ受講生はますます身も心も固くなり、弾けるものも弾けなくなるという悪循環に陥ってしまうのです。

レッスンの通訳というのは、受講生の演奏によってその場で展開されるので、まさに筋書きがありません。それだけに臨機応変に対応できる柔軟さと瞬発力を要求されます。
私の言葉が、先生の言葉になるのですから、その言葉によって受講生の受ける先生の印象を左右することになるでしょう。また、何より立派な先生方の大切な授業内容を完全に正確に伝える、という重大な責任を負っています。
場の空気を読んで、言葉を選ぶことはあっても、内容が変わることは絶対に許されません。
私は、通訳は“透明人間“であるべきだと思っています。
それも少しばかり気の利いた・・・。
今までに沢山頂いた受講生からの感想の中で、「先生の言葉がダイレクトに伝わってきた。」というのが、私にとって一番嬉しい言葉です。

同じ内容を伝えるのに、その場で一番ふさわしい単語を瞬間的に自分の語彙の中から選び出す、そんなスリリングで知的な通訳という仕事が私は大好きです。

これからももっと良い通訳ができるように、ドイツ語力を高め、そして日本語をさらに豊かにする努力をしていきたいと思っています。  2012年9月ウィーンにて  岩田朋子

◆岩田朋子リサイタル
2013年5月4日(土)14時開演
兵庫県立芸術文化センター小ホール

曲目:
シューマン:アレグロop.8
ブラームス:幻想曲集op.116
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏
曲とフーガop.24 他

◆昨年までの<リストシリーズ>が昨年のリストイヤーで一応完結したので、今回はまったく違うテーマでブラームスを中心としてシューマン、クララ・シューマン(予定)のドイツロマン派の作品でできれば数回のシリーズにしたいと思っています。◆(岩田朋子)

※岩田朋子さんのプロフィールは、メロス音楽セミナー講師・スタッフのコーナーをご覧ください。


2012/12/15

『通訳としての私』-① 岩田朋子


初めて外国の先生のレッスンを受けた時、先生の言葉を流暢に訳して下さった“通訳さん”。「すごいなぁ。」と憧れと尊敬を持って眺めていたその仕事を、私もいつの間にかするようになり長い年月が過ぎました。その経験を一度書き留めてみたら、と野村恵美子さんのお薦めがあり、私の“通訳人生”を振り返り、またこの仕事について思う事を書いてみようと思います。

<私の通訳事始め>
留学2年目の夏休みを目前にした6月のある日のレッスンの後、当時ウィーン国立音大で師事していたアレクサンダー・イエンナー先生が「夏の僕の講習会の通訳をしてくれないか。」とおっしゃったのです。
普段、先生にとても従順な私でしたが、この時ばかりは「無理、ムリ、むり。絶っっ対に無理です!!」と瞬間的に全身で先生に楯突いていました。2年間で、やっと先生のレッスンを大体理解できたかな・・・という程度なのに、それを日本語に訳して人に伝えるなんて、そんな責任の重いこと、やっぱり無理・・・、絶対に私、できない・・・。
それでもイエンナー先生は「キミは、レッスンで僕のいう事を全部理解しているじゃないか。何の問題も無いよ。僕にはキミで十分!」
こうしてほとんど問答無用という感じで、私の通訳初仕事が決まってしまったのです。

8月の講習会に先だって、まず7月にその講習機会を主催している先生の面接があり、「・・・まだ2年目ですか。・・・大丈夫ですか?講習会が成功するかどうか否かは通訳にかかっている、と言っても過言ではないのですよ。通訳というのはそれくらい大切な仕事なんです。」と、そうでなくても不安に押しつぶされそうになっている私に追い打ちをかけるカウンター・パンチ。でも、これはまさに真実で、その後通訳をする時に片時も頭を離れることのない言葉となったのでした。
いよいよ8月の初め、講習会の開講式で、にこやかな戦士の横にはコチコチに緊張したピノキオのような私が立っていました。その1時間目が、どんなレッスンだったのか、全く覚えていません。ただただ文字通り、全身を耳にして必死になって先生の言葉を日本語に置き換えていたように思います。そしてその緊張の1時間が終わった時、イエンナー先生が「キミには通訳の才能があるよ。」とおっしゃったことを今でも忘れることができません。先生が何を思っておっしゃったのか・・・その時、冷や汗をかき通しだった私には、先生の言葉を素直に喜ぶ余裕など全くありませんでした。
その夏、先生は別の講習会でも教えていらして、午前中は4区のベーゼンドルファーのスタジオでレッスン、お昼休みの1時間で一緒に移動。途中のスタンドで、ホットドックをほおばり、午後はヨハネスガッセの国立音大でレッスンというハードスケジュールで、日によっては1日で9時間のレッスンという日もありました。その夏だけで、優に50時間を超える通訳をしたと思います。泳げない子供を沖合に連れていって、海に放り投げて泳ぎを覚えさせる・・・まさに、そんな、理論より実践から始まった私の“通訳人生”でした。

それからは、春、夏、秋とイエンナー先生の講習会では、いつも通訳をさせて頂く事となりました。
ある時、こんな事もありました。
ハイドンのソナタの2楽章で、音符の長さの違いを正確に弾き分けなければいけない、という説明で「あなたの32分音符は、まるで64分音符のように聴こえますよ。」と言うべきところを逆に訳してしまった私に「逆だよ、逆。」と先生から即座にダメ出し。
「あっ、すみません。」(え?先生どうして日本語分かるの?)
長年、日本人向けの講習で教えていらっしゃる先生には、私の日本語もお分かりになるようで、しっかりチェックされているのでした。
他にも分からない単語が出てきたら、先生に“分かりません・・・。”という視線を送ると、他の単語に変えて下さったり、またイエンナー先生は、とにかく沢山弾いて見本を見せて下さるので、それに助けられ、こうして先生の忍耐と寛容によって、通訳としての私は育てられていったのです。

少しずつ経験を重ねていく内に、他の先生方の通訳もさせて頂くようになり、やがてはピアノ以外の通訳にも広がっていきました。そして今に至るまでの23年間、気がついてみれば、ピアノを中心に30人以上の先生のもと、1000時間を超えるレッスンの通訳をしてきたのでした。


2012/12/11

■バッハを奏でるクリスマス


大森文子先生は私の尊敬する素晴らしい音楽の指導者です。お若い頃の演奏活動はさておいて、何が凄いかというと先生の音楽観の中心にバッハが置かれ、バッハを中心に放射状に各時代の音楽家へと広がるように指導なさっている点であると思います。そういう指導原理は、ともするとベートーヴェン以来の調性音楽と主題操作による音楽の構築性にだけ目がいきがちな、わが国の音楽指導が陥りがちなポリフォニーの欠落を招く危険性があります。ベートーヴェンの偉大な音楽もバッハあってのドイツ音楽の伝統と積み重ねの上に成り立っているわけで、そこに大森先生の着眼点の優れた視点があります。大森先生の門下からは専門家は当然ですが、良き音楽愛好家がたくさん育っています。      『音楽を愛するものを育てること』は最も大切なことです。先生のバッハから、多く音楽を生涯の友とするお弟子が育っていることに私は深い敬意を払っています。(野村三郎)

「音楽の基本を教えること、そして嫌いにしないこと」    ピアノ教室主宰 大森文子
ほとんどの生徒は、3才から一貫してずっと見ていますが、私は、生徒たちがピアノを一生の友として、自分の心のより所として音楽に親しんでいけるようサポートするのが私の役目かな、とも思います。いい音楽との触れあいが生徒たちの豊かな心を育てていると思いますし、教えた生徒の大半は、生涯自分の生活の中に音楽があるようです。

現在の社会状況では、中学までピアノを続けるのは、なかなか難しい事のようですが、私の生徒たちは、中学受験で1年間休んでも、合格発表当日、本人から電話あり「合格しました!来週からいつもの時間にレッスンに伺ってもいいですか?」と私があわてる始末です。私は、中・高生の生徒たちには「学業・部活・ピアノをしっかりとやること。伴奏や室内楽も友人を捜して進んでやりなさい」など、折にふれ話すことにしています。
ある男子生徒が同級生とピアノ・トリオを組みアマチュア・コンクールを受けましたところご褒美を戴き「横浜みなとみらいホール」でメンデルスゾーンピアノ三重奏ニ短調を演奏しました。とてもよい経験となったようで私もうれしく思いました。

◆「バッハが原点」
私は地方に住んでいましたので、バッハを基本からきちんと習うことのないまま、中学の時、音校受験のため井口基成先生のお弟子さんを紹介され、いきなりバッハインヴェンションが始まりました。その後い ろんなバッハを弾き、卒試もバッハでした。卒業後、桐朋音教に残り、幼児教育からお手伝いが出来るなら他の曲と並行して絶対バッハの小品から教えようと思いました。

現在もバッハ(楽譜は全て原点版)とモーツァルトは、重要な作曲家として勉強し教えています。バッハ・モーツァルトは小さい時から沢山の調に出会うという事を前提に小品を書いているので4声体のカデンツ・スケールと共に3・4才の子供でもやります。
インヴェンションに入ると調で内容が決まると野村先生もお書きのように私も同じ考えです。調性はキャラクターを持っているから、私なりにインヴェンション・シンフォニアに於ける15の調性について、調性・性格・備考と分け、いろいろ調べたり私見を入れたりして書き込んで一覧表を作っています。

◆年2回の演奏発表会開催
夏 自由曲での演奏会
その時練習している曲、又は自由曲を自分で選曲します。多少難しい曲でもゴーサインを出します。それなりに努力する力が出ますし、音楽を通して成長すると思います。各自、曲のプログラムノートを書かせています。

演奏会準備過程:
1月 予告 /3月 曲目提出/4月 その曲のレッスン開始/
6月 プログラムノート原稿提出校正/7月 プログラム完成
夏休み始め 演奏会

冬 クリスマスに、メインテーマのバッハ『Mr.バッハに感謝をこめて』を軸に、課題曲(例、バルトーク・変奏曲・ロマン派・古典・近・現代・一作曲家・ 練習曲etc)を演奏。
生徒達はバッハが大好きです。無限にバッハが広がり出てきます。演奏時みんな「僕の、私のバッハを聴いて下さい」の気持ちで弾いています。
余談ですが、ある数学の大好きな生徒は、大学1年の数学のレポート試験で「バッハと無限」というテーマにしたそうです。音大生には想像出来ませんね。

◆即興演奏や自作自演 月1回、作曲・編曲・演奏家でもある大竹くみ先生に授業を受けています。ここでは、生徒たちは変奏曲・ソナチネ等作曲もします。作曲家は音楽を広範囲にわたって指導して下さるので、生徒達はいろんな事が学べ質問でき、次回はこんなテーマの授業と要望も出てとても良い授業です。簡単なオーケストレーションの仕組みや音楽史をテーマにすることもあります。音校生もやって来ます。

春は出会いの季節です。
皆、新しい場所で、新しい気持ちで、新しい価値観を自分で形成して進んで行く事は素晴らしいです。私はまた子供たちと一緒にあらためて勉強しなおしの出発です。
今年で16年目に入る「おもしろ音楽教室」です。

◆『2012 クリスマス イン バッハ』 ~バッハを奏でるクリスマス◆

12月24日(月・祝日) 開演:14:00(開場:13:30)

会場:京葉銀行文化プラザ JR千葉駅下車3分 ℡:043(202)0800


2012/12/11

早稲田大学エクステンションセンター 野村三郎講座ご案内


早稲田大学エクステンションセンター 早稲田校・冬講座

ワーグナー生誕200年 -エゴイストワーグナーの徹底分解―

●1月12日(土)/19日(土) 10:30~15:30(両日とも)
●キャンパス所在地:東京都新宿区西早稲田1-6-1
(交通:山手線・西武新宿線「高田馬場駅」徒歩25分、地下鉄東西線)
●定員:40名(残席わずかとなりました。)

ワーグナーは『ワグネリアン』と呼ばれる熱狂的ファンと、難しい、とっつき難いと敬遠する人がいる。ワーグナーの人生と音楽を深く知ることによって、ワーグナーという作曲家の人間性と歩みを知り、それを手がかりに彼の作品の面白さを理解する。
ワーグナーの人生を辿りながら、彼がどういう人間だったか、そこからどのような作品が生れることになったかを知る。彼の反ユダヤ人論とヒトラーのナチズムとの関わりは後世に禍根を残した。その一方で恩人の夫人との恋など驚くべき自己中心的エゴイズムが、偉大な作品を生むきっかけとなった。彼の作品の後世への大きな影響を知る。

<各回の講義予定>
第1回:バイエルン王ルートヴィヒ2世、ヴェーゼンドンク夫人との恋など具体的例を挙げる。
第2回:ヒトラーはバイロイト音楽祭に入り浸った。ワーグナー家のナチズムの歴史など。
第3回:ワーグナーは貧乏でも贅沢をした。どうしてバイロイト祝祭劇場を作れたのか等。
第4回:彼の音楽は「地獄の黙示録」にも使われ意外に身近にある。その例も話す。

●お問い合わせ先及び申し込み:TEL:03-3208-2248
●詳細:http://www.koukaikouza.jp/Lecture/e-54368.html


2012/12/06

■音楽之友社より好評発売中!野村三郎著「音楽的」なピアノ演奏のヒント


野村 三郎著
『音楽的』 なピアノ演奏のヒント -豊かなファンタジーとイメージ作り-

好評発売中! おかげさまで残部僅少となりました。

人を感動させる音楽を演奏するには、技術の他に豊かな表現力が必要。では、その表現力を付けるにはどうすればいいだろうか。音楽史の把握、作曲家の理解、作品研究、音色とタッチ、音型・音程・調整の意味、複数のエディションにあたることである。本書は基本はバッハとし、バッハからベートーヴェン、ショパン、シューマン、ブラームスらの豊富な例を基に、曲の解釈や自分のファンタジーとイメージを膨らませる方法の手引きである。(音楽之友社紹介文より)

<目次>
序:音楽的な演奏のために

第1楽章:まずバッハから
1. バッハの技の秘密
2. インヴェンションのしかけ
3. 恐るべき可能性を秘めた『インヴェンツィオ』
4. 作品に秘められた『声』
5. 音楽の『コトバ』

第2楽章:『愛の6度』を知っていますか
1. 音楽の約束事
2. シューマンに見る『愛の6度』
3. クララを飾る愛の音型
4. 『愛の6度』あるいは花開く反行形
5. 『嘆き』の音型を読む

第3楽章:ショパンとリストのファンタジー
1. ショパンに刻まれた祖国の運命
2. 語り尽くせぬショパンの悲劇
3. 演奏者の解釈と聴き手の受容
4. 現代へ先駆けたリスト

第4楽章:ショパンとブラームスのバラード
1. 音楽と文学の関わり
2. リトアニアの悲劇
3. 水の精の物語
4. ポーランド愛国の詩
5. バラードに聴くブラームスの精神生活
6. ブラームス晩年の作品

第5章:ファンタジーの翼を広げて
1. 絵画の描写と音楽の描写
2. ドビュッシーの音楽と絵画
3. 音楽の原点はやはりバッハ
4. 音楽の性格を決める要素

A5版・240頁 定価2940円(本体2800円+税) ISBN978-4-276-14343-2
●ネット書店、音楽之友社ホームページ  http://www.ongakunotomo.co.jp


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