2011/06/24

ザルツブルク音楽祭2011


■ザルツブルク音楽祭2011 7月27日~8月31日開催■

 ザルツブルク音楽祭が近づいてきた。ハイライトはなんと言ってもオペラだ。今年のオペラのライン・アップを並べてみよう。

■モーツァルトのダポンテ3部作(演出はいずれもクラウス・グート)
- 《フィガロの結婚》 指揮チチアティ、オーケストラ・オヴ・エンライトメント
- 《ドン・ジョヴァンニ》 指揮ネゼ=セガン、ウィーン・フィル
- 《コジ・ファン・トゥッテ》 指揮ミンコフスキ、ルーブル宮音楽隊
■R・シュトラウス 《影のない女》 指揮ティーレマン、演出ロイ、ウィーン・フィル
■ヴェルディ 《マクベス》 指揮ムーティ指揮、演出シュタイン、ウィーン・フィル
■ヤナーチェク 《マクロプーロス事件》 指揮サローネン、演出マルターラー、ウィーン・フィル
■ストラヴィンスキー 《ナインチンゲール》 とチャイコフスキー 《イオランタ》 (演奏会形式)指揮アイヴォー・ボルトン、モーツァルテウム・オーケストラ

 モルティエ監督以来、近年はオペラの演出が一ひねりも二ひねりもしてあって、オーソドックスなオペラを期待する人をがっかりさせる。その例がダ・ポンテ3部作といわれるクラウス・グート演出のモーツァルト《フィガロの結婚》《ドン・ジョヴァンニ》《コジ・ファン・トゥッテ》。

 《フィガロ》は今世紀初頭の没落し始めた貴族の館。フィガロは中年でスザンナはアルマヴィーヴァ伯爵にまんざらでもないといった風だから人間関係が複雑に絡み合っている。《ジョヴァンニ》は主人公と従者レポレロは森の中に住むアウトロー。何故こういう人間に女たちが血道を上げるのか分からない。これを色々理屈付ける評論家の言説を私は信用しない。この森が《コジ》に続いていて、姉妹を陥落させる手法も安易と思う。しかし、指揮、オーケストラ、歌手も揃っていて聴き応えがあるであろう。この企画は今年まで。

 予測なので当てにならないが、R・シュトラウス《影のない女》は面白いのではなかろうか。ヴェルディの《マクベス》は正統派ではないかと思われる。ヤナーチェク《マクロプーロス事件》は上演回数が少なく300年生きた女性が主人公だから、題材は面白い。ストラヴィンスキーの《ナインチンゲール》とチャイコフスキー《イオランタ》は演奏会形式ながらネトレプコ出演で人気を集めている。

 さてウィーン・フィルだが、10回の演奏会にブーレーズ、ティーレマン、ムティ、ヤンソンス、ヴェルザー・メストという豪華な顔ぶれでお得意の演目を揃えていてどれも聴き応えがある。中でもムーティのヴェルディの《レクイエム》、ティーレマンはR・シュトラウスを取り上げるが独唱にフレミングを起用しており、これらは聴き逃せない。

 ベルリン・フィルはラトル指揮で2回。マーラーとブルックナーで重厚な響きを楽しめよう。客演オケに話題のシモン・ボリヴァル・オケ(指揮ドゥダメル)、西東ディヴァン・オケ(指揮バレンボイム、コリン・デイヴィス)を揃えたのは音楽祭の見識である。シカゴ交響曲楽団は常任指揮者のムーテイを」迎え、今が聴きどころ。サンタ・チェチーリア音楽院オーケストラがパパーノ指揮でロッシーニの「スターバト・マーテル」にはネトレプコ、ダルカンジェロなどがソリストで登場する。地元カメラータ・ザルツブルクはケント・ナガノ指揮で3回。同様にモーツァルテウムオーケストラ・ザルツブルクの恒例のモーツァルト・マチネもアイヴォー・ボルトン、トレヴァー・ピノックなどを指揮に迎え充実している。

 「5つ目の大陸」と名称の現代音楽シリーズ。ノーノ、シャリーノなど前衛を揃えている。マーラー没後100年の今年は「マーラーの情景」という企画は9回催されるが、彼の交響曲は第1番と第2番のみで他の作曲家の作品も取り混ぜ、変化に富んでいる。ショスタコーヴィッチシリーズでは彼の全弦楽4重奏曲が2晩に亘って取り上げられるのも注目。室内楽では内田光子がシューベルト、シューマン、シェーンベルクの作品を他の音楽家と共演する。ハーゲンクワルテットはシューベルトの弦楽4重奏のみ。歌曲の夕べはマティアス・ゲルネ、ゲアハーヘル、デノケ、クワストホフと旬の歌手たちの顔ぶれ。ソリストの夕べに内田のシューベルト、ソコロフのシューマン、ヴォロドス、ランランとレーピンとマイスキー、ポリーニ、ヨーヨー・マ、ファージル・サイとこれまた豪華。

 以上流石ザルツブルク音楽祭だけに、どれを聴いてもはずれはなさそうだ。ザルツブルク音楽祭に行きたい方は音楽祭ホームページで演目、チケット情報をまずチェック。仮に切符が売り切れでも、大祝祭劇場横のトンネルの手前にあるチケットセンターで戻り券が入手できることがある。同時にホテルも押さえておくことをお勧めする。

■ザルツブルク音楽祭ホームページ:www.salzburgerfestspiele.at


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